3月も、すでに半分が過ぎようとしています。
こちらはここ一週間ほど暖かい日が続いて、
柳の芽が微かにオレンジ色を帯び、最初のブラック・ソーンの白い花が咲き始めています。
でも、この週末はシベリアからの強風が吹くとかで、
また少し寒さが戻ってきそうです。
まだまだ寒の戻りは何回かあるでしょうが、
毎日少しずつ日が長くなって、賑やかな鳥たちのさえずりの声が庭に響いてきます。
日本ではお水取りも終わりに近づき、櫻がほころぶのももうすぐですね。
さあ、待ち焦がれていたガーデニングのシーズン到来ですよ~♪
私自身はまだ庭仕事ができるような状態にはなっていませんが、
遅まきながら、『3月の庭仕事』を入れておきます。
☆春先の剪定の時期ですよ~!
◎Cornus(dogwoodミズキの仲間)、Salix (willow ヤナギ)、
hardy fuchsia(耐寒性フクシア)、Ceratoastiguma(ルリマツリモドキ)、
Caryopteris 、Perovskia(ロシアンセージ)、ブデリア(Buddleia davidii)などは、
根元近く(約15cm)でバッサリ剪定する
◎伸び過ぎたクライマーの強剪定をする
◎花が終わったウィンタージャスミンの剪定
花が咲いていた部分をすべて剪定する
◎ハイドレンジアの新芽が出ているのを確認したら、
枯れた花を刈り取り、痛んだ枝や古い枝も剪定する
*イギリスの場合は花の時期が遅いので、3月から4月初めにかけて剪定をする
◎大きくなりすぎたマホニア(ヒイラギナンテン)の剪定
バッサリやっても大丈夫、すぐに芽を吹いてくる
◎引き続き、夏咲き(6月以降)クレマティスの剪定をする
一番下の芽のすぐ上で剪定する
(C.orientalis, C.texensis, C.viticella, C.vitalba, 大きい花の咲く品種)
+新芽が伸び始めたら支柱やトラリスに結びつける
◎バラの剪定をする
枯れたり病気にかかっている枝を切る。
枝の三分の一~半分まで、外側に向いている芽の上で剪定する
*剪定後、株周りをきれいにしてfish,blood & boneなどの肥料を蒔いて、
コンポストでマルチングをする
*サッカーが出ている場合は、根元から引き抜く
(切るとまた出てくる可能性があるので、引き抜く方がよい)
*クライミングローズは、ワイヤーに平行に結びつけて、サイドシュートがよく出るようにする
◎竹の剪定をする
古い竹や、曲がった竹を根元から切る
冬の間に強風で痛んだ枝も切り取る
☆ヘザーの花が終わりかけたらトリミングする
*トリミングしておかないと大きくなり過ぎwoodyになるので、
形を整え来年の花つきをよくするために毎年必ずトリミングする
☆ヒューシャ(フクシア)やパラゴニウムなどの苗や、
ダリアやグラジオラスなどの球根を植える
☆1年草の種蒔き (3月から4月にかけて)
カリフォルニア・ポピー、カレンジュラ(キンセンカ)、
ヤグルマソウ、ニゲラ、ポピー、リナリア、poached egg plantなど
*できるだけハチやチョウの好む花を選ぶようにする
(一重でデイジーのような形の花や、筒型の花など)
☆スィートピーの種まきをする(庭に直播できる)
☆秋に温室で種まきをしたスィートピーは、今月末に外に地植えする
(芽が10cmくらいになったら、先端を摘んで脇芽が伸びるようにしてやる)
☆秋に宿根草の株分けをしなかった場合は、
土が温かくなった春に株分けをして、すぐに植えつける
☆宿根草の古い茎を根元から切って、新芽が伸びやすいようにしてやる
*今月は新しく宿根草を植えるのにも適している
(土が凍結していたり水浸しになっている間は避けること)
☆花の終わった春咲き球根に肥料を与える(お礼肥え)
☆ラッパ水仙など春咲き球根の花が終わったら
花茎を切って種が付かないようにする
*葉は自然に枯れるまでそのままにしておく
(イギリス式は場所を取らないように枯れるまで葉っぱを結んでおくが、
そのまま伸ばしておく方が球根のためにはよい)
☆込み合って花つきが悪くなった水仙の株分けをする
☆スノードロップの花が終わったら、込み合っている株はすぐに株分けをして植えかえる
*というのが常識なのですが・・・、
ウィズリーのガーデナーさんや
数十年スノードロップを栽培しているナーサリーの人の話では、
葉が黄色くなる頃まで待ってからやる方が、よく定着するとのこと
☆常緑樹の植え付けと移植
☆樹木やシュラブ、バラ、宿根草、クライマー、ヘッジなどの周りに肥料をばらまき、
コンポストでマルチングする
(コンポストの他、バーク、ココシェルなどでマルチングしてもよい)
☆芝生に生えている苔をガンジキでかき出す
☆芝生に肥料を与え、枯れた部分に芝の種を蒔く
☆芝刈りを始める
初めの数回はブレードをhighに設定する (4~5cm)
*暖かくなったら急に伸びるので、
すぐに使えるように芝刈り機を準備しておく
☆霜や雪の予報が出たら、
新芽の出ている球根などにフリースをかける
☆柔らかい新芽をS&S(slug & snail)からコパーリングやグリットなどで守る
暖かくなると同時にS&Sも活動を始めるので、準備を怠りなく!!!
☆新葉が展開し始める3月は、
宿根雑草を取り除くのに最適の時期なので、
根を残さないように掘るか引き抜いて
市町村の収集するGreen binに入れるか焼却する
*コンポストには入れないように注意!
(一年草の雑草は入れてもよい)
☆室内で花が終わったヒヤシンスなどを外に植えつける
☆コチョウランは週に1~2回水遣りを始め、
バークコンポストの場合は、同時にオーキッド用の液肥をやる
☆(室内や温室で)花の終わったアマリリスの花を切り取り、
3~4ヶ月後に葉が自然に枯れるまで水遣りと施肥を続ける
☆池の管理
◎池の水が汚いようであれば、水を替える
ブランケットウィードや枯れた水草を取り除いて、
池の三分の一の水を抜いて、水を足す
◎枯れたマージナルプランツを刈り取る
◎使用する前にポンプやフィルターをきれいにして安全を確かめる
◎魚に餌を与え始める
☆Wildlife
◎鳥たちは巣作り進行中なので、まだ新しい巣箱をかけるのに間に合いますよ~♪
*巣箱をかける場所は、餌場とは離れたシェルターな所を選ぶ
*巣箱の入り口が北または北東を向くようにして、直射日光が当たるのを避ける
*鳥の種類によって、巣箱の大きさや形、出入り口の穴の大きさが違うので、
注意する。巣箱を掛ける場所や高さもくふうする
*すでに巣箱を設置してある場合は、
取り外して巣箱をきれいに掃除する
↓
沸騰したお湯をかけて消毒し、乾燥させる
↓
新しい藁や乾燥した苔などを入れて、元に戻す
◎鳥の巣作りに必要な材料を庭に準備してやるとよい
細めの木の枝や、シュラブの茎、枯れ葉、苔、柔らかい鳥の羽根、
藁、ペットを買っている場合は犬や猫の毛、ウールなどなど
*ウールを入れて木の枝にぶら下げられるフィーダーも
ペットショップやガーデンセンターで売られているが、
ウールをボール状に丸めて周りに糸を掛け、ヒモでぶら下げられるようにするだけなので、
簡単に自分でも作れますので、お試しを。
(うちでは、こういう準備をしておかないと、
盆栽鉢の苔をすべて剥がされてしまいます (>_<) )
◎樹木やシュラブにバードフィーダーを吊るしたり、
バードテーブルを置いて、餌が途切れないようにする
(ヒマワリなどの種、グレイン、ナッツ類、フルーツ&ベリー、
ドライフルーツ、ベーコン、固くなったチーズ、キャットフード、
フルーツケーキやビスケットなどの残り、ラードやfat ball、mealworm など)
*ピーナツは必ずピーナツフィーダーに入れて与えること
(小さい鳥が喉に詰めるのを防ぐため)
*鳥の種類によって好物が違うので、
いろんな種類の餌を用意するといろんな鳥が来てくれますよ♪
木の上で餌をとる鳥もいれば、地面で餌をとる鳥もいるので、
地面に置くバードフィーダーも忘れないように。
(既成のものでなくても、鉢の受け皿で十分です)
◎バードフィーダーやバードテーブルの定期的な掃除を忘れないように!
*不潔なバードフィーダーから、感染病が広がることも多いとのことです
*サルモネラやE.coliなどの人への感染を防ぐためにも、
餌やりや掃除のあとには必ず手洗いを決行すること!!!
◎水の補給も忘れずに!
鳥を庭に呼びたいなら、
餌台の設置だけでなく水飲み場兼水浴び場を作ること!
常に水浴び場をきれいにして、新しい水に取り替える
氷が張った朝は、水のみ場の氷を溶かすのをお忘れなく!
◎ヘジホグ(ハリネズミ)が冬眠から覚める時期なので、
水とキャットフードやドッグフードを用意してやる
(夜に餌を用意し、残ったものは朝廃棄する)
◎slow wormも冬眠から覚めるので、
湿った場所を選んで、丸太や刈り取った枝や石などを積んだ場所を作ってやるとよい
*slow wormはヘビではなく、足のないトカゲとでも言えばいいだろうか。
(一見ヘビのように見えるが、まぶたがないのでトカゲの仲間ということになるね)
*slow wormはS&Sを餌にするので、
カエルやヘジホグなどと共にガーデナーには大切な援軍
*slow wormは Wildlife and Countryside Act 1981により保護動物に指定されているので、
殺傷したり、取引に使ったりするのは法律で禁じられている
◎庭や畑の一部に、丸太を積んだり、草を刈らない場所を作る
きちんと片付け過ぎるのはよくない
◎鳥や小動物、虫たちの餌や住処になるような樹木、シュラブ、クライマーなどを
選んで植えるようにする
◎ 花もハチやチョウが蜜を集めやすい形の花を選ぶようにする
*派手な園芸種の八重の花を避け、一重のデイジーのような形や筒型の花を選ぶとよい
繰り返し鳥や小動物、虫たちのことを書いていますが、
彼らのヘルプ無しにはオーガニック・ガーデニングはできないのだと言うことを、
いつも心に留めておきたいものですね。
庭仕事はイギリス南東部、特に私の住んでいるロンドン西部のチルターンを基準に
書いていますので、日本とは少し違ったところもあります。
また、ご自分のお住まいの地域に合わせて、
庭仕事の時期をずらしてください。
内容について質問のある場合は、どうぞお尋ね下さい。
なお、畑仕事(野菜やハーブ、果樹)については、