5月の庭で、新緑の美しい樹木やシュラブは数多くありますが、
その中でも輝くようなライムグリーンの若葉を見せてくれるのが、このモミジです。
新緑がだんだん濃い緑に変化していく初夏になっても、
このモミジはきれいな色を保っています。
生育が遅く、余り大きくならないと言うことで求めたモミジですが、
10年以上経つのに、鉢植えのものは植えた当時とそれほど変わりがなく、
地植えの方も、昨年撮った写真と見比べても、それほどの差がないくらいに、
ゆっくりゆっくり育っています。
芽吹きの頃には、プリーツを畳んだように上手に仕舞われていた葉っぱが、
少しずつほどける様子が面白いものです。
秋には、地域によっては黄色や橙色に色付くということですが、
風雨のきつい拙庭ではきれいに紅葉するのはむずかしく、
晩秋の冷たい風は葉を縮らせて落としてしまいます。
でも運のいい年には、マスタード色に黄葉した葉のふちに、
ほのかにオレンジ色の紅が指す、
なかなか渋い姿を見ることができます。
日本固有種のオオイタヤメイゲツ(大板屋名月)の変種だと思いますが、
オオイタヤメイゲツは本州(福島県以南)、四国 のブナ帯以上の山地に生育する落葉高木で、
樹高は20mにもなります。
「イタヤ」は葉が重なり合っていて、板葺き屋根のように見えることから来ているようですが、
「メイゲツ」は丸い掌状に広がる葉の形を名月に例えたのだとか。
英名の一つ(Golden) fullmoon mapleも、そこから来ているのでしょうね。
種小名のshirasawanumは、明治時代の樹木学者の白沢保美博士にちなんでいるそうです。
学名: Acer shirasawanum 'Aureum' AGM
英名: Golden Shirasawa maple 、Golden fullmoon maple
和名: ?オウゴンイタヤ(黄金板屋)、キンカクレ(金 隠 れ)