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3月の猛吹雪と匂いスミレ




3月も終わりに近づいていると言うのに、
ここ数日スコットランドやイングランド北部、
カンブリア地方などは猛吹雪に襲われ、
私の住む南東部でも強風と供に雪の降る寒い日が続いています。
昨年の今頃は、20℃近くまで気温が上がっていたことを思うと、
今年はいつまでも寒さが続くようです。

でも、寒い中でも植物たちは少しずつ春への準備を始めています。
その中でも、寒波の数日前に花が咲き始めたニオイスミレは
とてもうれしい春の使者になりました。



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匂いスミレという名の示すように、
小さい花ながら独特のすばらしい香りを放ちます。
原産地はヨーロッパ、西アジア、北アフリカなどですが、
イギリスではビクトリア時代には
Violet mania と呼ばれる人たちがいたほど人気のある花でした。
街角ではスミレの花束が売られ、
女性たちはスミレのコサージを身につけました。


' Roses are red, Violets are blue,
        Sugar is sweet, And so are you. '

上の詩は、バレンタインデーのカードの決まり文句として
イギリスでは子供でも知っている有名なフレーズですが、
ニオイスミレは詩歌の中にもよく詠われます。

そして、香水に使われるだけでなく、
砂糖菓子にしてケーキの飾りに使われたり、
ヴァイオレットシロップやスコーン、マシュマロなどにも使われます。
古代ギリシャの時代から薬用植物として利用されてきましたが、
その辺りのことはまた改めて書くことがあるかもしれません。


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イギリスでは暖かい冬には2月の下旬から花を付け始め、
4月下旬ごろまで咲き続けます。
花色はふつう濃い紫色ですが、
他にライラック色やピンク、白などもあります。

庭では増えすぎて邪魔になることも多く、
拙庭のニオイスミレは種を飛ばして
隣近所の庭にも侵略を続けている様子です。




学名: Viola odorata
英名: sweet violet, English violet, wood violet
和名: ニオイスミレ(匂い菫)

by lapisland2 | 2013-03-25 08:18 | Perennial