秋を告げる小さな使者 シクラメン・ヘデリフォリウム
8月の終わり頃から庭の片隅にちっちゃな顔を覗かせている原種シクラメンは、
うちの庭にはなくてはならない大切なプランツの1つです。
日本の贈答用に作られた大きなシクラメンは、
なんだか造花のようで好きになれなかったのですが、
こちらに来てから原種シクラメンの存在を知り、
シクラメンに対する印象がまったく変わってしまいました。
元はと言えば、同居人の作っているジャパニーズ・パティオに植える小さなプランツを
探している間に巡りあったのが最初でした。
それ以来ずっと、夫婦して原種シクラメンに恋をしています。
変わった斑入りに出会うと、大人気なく二人で取り合いをしてけんかになるほどです。
花は小さくて目立ちませんが、
私にとっては、秋の訪れをそっと知らせてくれる貴重な花です。
8月も中旬を過ぎると、
いつ、どこから一番乗りの花が顔を出してくれるかしらと、
庭に出るたびにそれとなく探してしまいます。
殆どの場合、花だけが先に飛び出してくるのでちょっぴり奇妙な印象ですが、
工夫次第でそれもまた好し。
花が咲き進む頃になると、小さな葉っぱが広がってきますが、
その葉っぱが花以上に楽しみなのです。
新しく鉢植えを購入する時も、葉っぱの模様で決めています。
日本でも近年ようやく原種シクラメンの魅力に気づく人たちが
増えてきました。
原種シクラメンに力を入れているナーサリーもあります。
小さいけれども魅力いっぱいのこのプランツが、
日本でも広まってくれるといいですね。
学名: Cyclamen hederifolium AGM
(Syn.) Cyclamen neapolitanum
英名: ivy-leaved cyclamen、Neapolitan cyclamen
[追記]
*原種シクラメンには20種以上が存在し、耐寒性のないものもあります。
うちでは、地植えのできる耐寒性のある原種シクラメンしか育てないことにしています。
温室を持たないことがその理由です。
原種シクラメンについては、いずれまた詳細を書き込むことがあると思います。
*英国で、秋になると出回る「ガーデンシクラメン」は、
原種シクラメンとは別物で、耐寒性がそれほどないので、
ロンドン以外では外での冬越しはほぼ無理です。
クリスマス頃までの寄せ植え用だと解釈した方がいいでしょうね。
by lapisland2 | 2012-10-08 23:54 | Bulb/Corm/Tuber/Rhiz