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悲しい名を持つヘスペランサ



昨年の今頃は、昼間0~3℃、夜間はー3℃くらいの日が続いていたと言うのに、
今年はまだ10℃くらいあって、暖かい秋です。
そんなわけで、庭の花たちもまだ咲き残っています。
霜が降りたらお終いになるそんな花をもう少し。


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南アフリカ原産の Hesperantha coccinea。
アヤメ科だけあって、細いグラスっぽい葉から花茎が立ち上がり、
晩夏から秋にかけて、濃いサーモンピンクやピンクの濃淡、白などの花を咲かせます。
花茎の長さは、品種により40cm~90cm。
この花も、花が少なくなる頃から清楚な花を次々と付けて、
霜が降りる頃まで咲き続けてくれます。


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病害虫の心配もなく、毎年忘れずに可愛い花を咲かせてくれる
手間の掛からないプランツですが、
川の流れのそばに自生するとのことですので、
夏に乾燥しないように注意します。
冬場に雨の多いこの国では、
根が水浸しにならないように、
水はけのよい土に植える方がいいようですね。
風のきついうちの庭では、冬にはマルチングをしたり、
フリースをかけています。
日当たりを好みますが、うちのように1日に数時間しか日が当たらない場所でも
たくさん花を付けてくれます。
数年に1回、春に株分けをします。


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日本ではまだSchizostylis coccineaという古い名称が使われているようですが、
名前が変わって、ヘスペランサになっていますので、ご注意を。


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英名として、Kaffir lilyと言う言葉が使われているサイトもありますが、
心あるサイトでは、現在は使われていません。
それに代わるものとして、 River Lily あるいは Scarlet River Lily と言う名が
使われることが多いようです。


なぜかと言うと、Kaffirというのは、
アフリカ(特に南アフリカ)では、20世紀になってからは、
黒人を指す非常に侮蔑的、人種差別的な言葉とみなされているからです。
ニガーにも匹敵する言葉だと言えるでしょう。
その言葉に傷付く人たちがいると言うことを、
しっかり心に留めておきたいものですね。
日本でも、おそらく無知からその名前を掲載しているサイトが
多いようですので、ぜひ訂正をして頂きたいものです。

Clivia miniata(君子蘭)にもその名を当てているサイトがあるようです。


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学名  Hesperantha coccinea
英名  Schizostylis , River Lily , Scarlet River Lily


* Hesperantha coccineaは濃いサーモンピンクで、かなり背が高くなります。
   ピンクのは、 H. coccinea  'Sunrise' (AGM)
          H. coccinea  'Salmon Charm'

[追記]
私の経験では、
晩秋に鉢上げをして暖かい室内に置いておくと、
冬中花を咲かせてくれますよ。



by lapisland2 | 2011-11-26 23:29 | Bulb/Corm/Tuber/Rhiz