冬の彩り  ウィンターガーデンから




遅まきながら年明けからイギリスにも本格的な寒さがやって来ました。
昨年からの体調悪化で、庭仕事どころか外出もままならない状態が続いていますが、
日本の某有名サイトに掲載してもらっている英国便りの中から、
いくつか記事を選んで少しずつこちらにも載せて行きたいと思っています。

今回はグレー一色の世界が広がるイギリスの冬だからこそ、
その存在が際立つウィンターガーデンの様子をご紹介いたします。
しばらくの間色鮮やかな冬の庭で温まってくださいね。


私がウィンターガーデンの美しさに目覚めたのは、
15・6年前、かのウィリアム・ロビンソンのマナーハウスに滞在した時でした。
いつもは夏や初秋に訪れることが多かったのですが、
その時は初めて冬に訪れ、凍りつくような朝の冷たい空気の中を散歩していて、
立ち込める霧の中からぼぉーっと浮かび上がるさまざまな色のコーナスの姿に
どこか異次元の世界のような美しさを感じたのでした。

残念ながらその頃の写真はフィルムでしたので、ご紹介することはできませんが、
いまでもあの情景はくっきりと心の底に焼きついています。



今回ご紹介するのは、The Royal Landscapeの一部にあるSavill Gardenから。
ここのウィンターガーデンは規模は小さいのですが、とても色鮮やかで大好きな場所でしたが、
残念ながらもう存在しません。
数年前にもっと規模の大きいウィンターガーデンに様変わりして、
デザインもすっかり変わってしまいました。



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11月初め、ウィンターガーデンはまだ黄葉たけなわです。




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11月下旬になると、殆どのものが落葉しましたが、
まだコーナス(ミズキ)の一部や画像右手前の Rubus(キイチゴ )のブルーグレーの葉っぱは残っています。
Rubusは葉を落とすと、真っ白の印象的な枝が現れます。



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グランドカバーのHebe(日本ではヒービー)の中から葉を落としたモミジAcer pensylvanicum 'Erythrocladum' が
目立ち始めます。



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Cornus alba `Sibirica'(サンミズキ) は早くから真紅に燃えています。
数ある紅いミズキの中でも最も際立つ真紅になる品種ですね。



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黄葉のきれいなコーナス  たぶんC. stolonifera 'Flaviramea'。



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黒と白の取り合わせですが、まだ濃い色が出ていません。




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年が明けて寒さが厳しくなるにつれて、ウィンターガーデンの色が冴えてきます。




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黒と白の組み合わせもコントラストがはっきりしてきました。
白いRubusの足元の黒いオオバジャノヒゲの間からは、このあと可愛いスノードロップが顔を出してきます。



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黒いコーナスはC. kesselringii。
寒さと共に殆ど黒に近いダークブラウンに染まった Pittosporum tenuifolium 'Tom Thumb' と、
まっ白い幹が印象的な白樺 Betula utilis var. utilis 'Silver Shadow' の組み合わせがとても印象的です♪



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邪魔になるおじさんがいますが、無視して下さい。
本人はガイドのつもりでいるようです。 (-_-;)



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お邪魔おじさんが指差す方向に咲くピンクの花は、厳冬の1月から2月にかけて咲くツツジなんですよ!
Rhododendron dauricum 、品種名もずばり'Midwinter' 。

(Rhododendron dauricumは、エゾムラサキツツジのことで、
北海道では雪解け一番に開花するそうですが、
当地の方の話では、雪圧で潰れるために凄い樹形になるとのこと。
北海道には大群落があるそうです。)

北海道を含めてかなり広範囲の寒い地域(サハリン、北東中国、韓国、北モンゴル、
アルタイ山脈からシベリアにかけてなど)に分布していて、-25℃まで耐寒性があるとのこと。
それで、これを使った交配種がいろいろ作り出されているようです。
'Midwinter'もその一つですが、あと白い 'Madison Snow'や 'Arctic Pearl'などもよく見られます。
(白花は春先に咲きます。)



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咲き始めた黄色いハマメリス(マンサク)の根元では、
寒さと共にチョコレート色に染まった Bergenia purpurascens( ヒマラヤユキノシタ)が、
光を受けて艶やかです。




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C. sanguinea 'Midwinter Fire'の黄色とオレンジのグラデーションも鮮やかです。





最後はウィズリーで締めくくりましょうか。



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水辺に植えられた色鮮やかなコーナスやSalix(ヤナギ)などが水面に映り、
ちょっと幻想的な雰囲気ですね。



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葉を落としたRubus phoenicolasius (ワインベリー)の冬の姿。
このアーチの下をくぐるのは痛そう!



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こんな風にいろいろな色が渾然一体となっているのもまたいいものです。
白いのはRubus biflorus。


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これはコーナスではなく、Salixをポラード仕立てにしたもので、
コーナスと同じく冬になると鮮やかな黄色やオレンジ色の枝が目立つようになります。


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by lapisland2 | 2015-02-14 04:59 | Garden Visit + | Trackback | Comments(11)

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Commented by wilmslow at 2015-02-15 06:12
こんにちは♪
冬の景色、すごく楽しませていただきました!
写真に登場しているのは、ご主人のJさんですか?
ポーズも決まっていますね(笑)

そういえば私が運よくlapisさんのブログを見つけたのは、cornusをググった時だったと記憶しています。
それで私も2年前の冬だったかな? cornusを庭へ植えたのですよ~。検索でlapisさんのブログを見つけることができたのは幸運だったとしか思えません!

今年はさらにもうひとつ横に植えようと、でも緑の枝のものにしようか、オレンジ色の枝のものにしようか、悩んでいるところだったのですが、黒いのもあるのですね~。
lapisさんのお庭に確かオレンジの美しい発色のものがあったと記憶していますが、あれはmid winter fireでしたか?

とても美しいウィンター・ガーデンの魅力をシェアしてくださってありがとうございます♪
Commented by surume393939 at 2015-02-15 18:11
こんにちは。
冬枯れの寂しい光景ではなく、鮮やかなウィンターガーデンもあるのですね。花でなく、葉っぱでもでもない色とりどりの美しい冬の梢。散歩の時に辺りを見渡しましたがこちらではあまりそんな景色はみませんね。せいぜい落葉した木々に光が当たり白っぽく光って見える
Commented by surume393939 at 2015-02-15 18:18
すみません。間違って送信してしまいました。 つづきを・・・
白っぽく光って見える木々が美しい。その程度なんですよね。
冬の庭にこんな楽しみ方もあるのですね。
Commented by lapisland2 at 2015-02-16 05:15
surumeさん、こんばんは。
私も日本にいた頃には「ウィンターガーデン」というコンセプト自体がありませんでしたね。
それに、「ウィンターガーデン」というのはまったく人工的なもので、
街も村もどこもかもがモノクロの世界で、それが少なくとも5ヶ月は続きます。

日本だと、東京以西では冬でも日差しが明るいですから、
イギリスの冬のような暗さやうっとうしさはありませんし、
裏日本や北国では雪に埋もれてしまうので不可能ですからねぇ。
仮に関東や関西などでイギリスのウィンターガーデンをまねて作ったとしても、
空気も周りの景色もまったく違うし、見る側の意識がさらに違うので、
この国で見るほどの印象はないと思います。

関西では、澄み切った青空の背景に似合う常緑のツバキや山茶花が咲き、
梅や蝋梅、マンサクが香る庭が一番ですよ♪

そちらでは、そろそろ福寿草が開き始めているのではないでしょうか。
Commented by ポアロ at 2015-02-16 05:53 x
2、3年前にイギリスの園芸雑誌で冬枯れの庭の鮮やかな枝色を見て、赤と黄色のふた株を植えました。夏は緑色の枝が冬は鮮やかな色に変わり、気に入っています。まだ枝数は少ないですが、大きく育つのが楽しみです。
Commented by telly1214 at 2015-02-16 20:52
Lapisさんご無沙汰してます。
お体は大変の様ですがどうかいたわって頑張ってください。
日本というか私の住む豊田市はやっと陽の暖かさが感じられる季節になってクレマチスの花芽もそれなりの姿をしてきました。
Lapisさんの記事に鳥の事がよく出ていますが、私は動物好き、植物好き、中でもネコと鳥は子供のころからです。
色々ありすぎるのでボチボチ紹介しますが、最近のモズの話です。
私のクレマチスの栽培場は理解ある地主さんが提供して頂いている知立市の八橋にあります、此処だけでも何匹も鳥たちを助けてあげましたが。
昨年の秋地主さんの柿の木にカラスの被害を防ぐネットに朝早く私が言った時モズが2匹もつれていました。
よく見るとオスとメスのツガイです、どちらかが先にかかって助けに来て2匹とも網にかかってしまったのでしょう。
まだ元気だったので傷をつけないように丁寧にほぐし2匹一緒には無理なのでとりあえず1匹づつ離してやりました、勢いよく飛んで行って、たぶんツガイですからはぐれる事はないでしょう。
生きていてよかった、それから3カ月ほどしたころ畑の草取りをしているとメスのモズが近くに来るのです、モズは愛嬌がありそう人は怖がらないのですが、その彼女は私の傍1mくらいの所まで近寄っては飛び去りまたすぐに来るのです、相方のオスの方は近寄っても5mくらいまででした。
彼女は近寄ってきて私が気がつかないと尾っぽをふるって音を立て傍にいる事を知らせているようです。
きっと秋に助けた私の事を覚えていて、遊びに来てくれているのでしょう。
こういう鳥の行動はほんとに可愛いですね、他の鳥でも同じような経験は何回もあるんですよ。
今は家の庭にすずめの餌台を置いて朝の雀たちとのやり取りを楽しんでします。
Commented by lapisland2 at 2015-02-16 22:03
ポアロさん、九州も今年の冬はちょっと寒いようですが、
着々と春の準備をされているようですね。

植えられたのはコーナス(ミズキ)ですよね。
日本の場合、どの程度の大きさのが売られているのかよくわかりませんが、
植えてから3年経ったら、冬の終わりか春の初めに強剪定をすると、枝つきがよくなり、冬の色も鮮やかになりますよ。
品種がわからないのではっきりとは言えないですが、
赤系統のは毎年、黄色いのは品種によって違いますが、2~3年ごとに強剪定するといいようです。

色鮮やかな枝を楽しんで下さいね♪
Commented by lapisland2 at 2015-02-16 22:05
tellyさん、こんにちは。
何とか春には日本に治療に帰りたいと思って、毎日少しずつリハビリを続けています。
少しずつ歩ける距離を伸ばしていますが、まだ長旅の自信がありません。
でも、最悪の時期は越えましたので、何とかなるだろうと思うことにしています。

ここ数日少し暖かい日が続いていて、庭に出た相方がクレマティスの芽が出ているとのことで、
遅れていたクレマの剪定を頼みましたが、うまくやってくれたかしら?と思っているところです。

激痛が続いていた間も、2階の窓から眺める庭に来てくれるたくさんの鳥たちに本当に慰められました。
tellyさんも植物好きはもちろんでしょうが、動物好きとのこと、うれしいです。
モズと仲良しになれて、よかったですね♪
うちでも、ロビン(コマドリ)やブラックバード(クロウタイドリ)などは、すぐ近くまで来てくれますよ♪
このブログには植物のことしか書いていませんが、別に菜園日記を書いていまして、
そちらには畑のことだけでなく、野鳥やリスのこと、日常のつれづれについての独り言を書いていますので、
よろしかったらまた覗いてみてください。(ただし、菜園日記もここ数ヶ月は開店閉業気味です。)
http://lapisland.exblog.jp
Commented by lapisland2 at 2015-03-09 08:34
wilmslowさん、今気が付いたのですが・・・
入れたはずの返信コメントがなぜか消えてしまっていました。
ごめんなさい。
遅まきながら、もう一度入れておきますね。
****************************

wilmslowさん、こんばんは。
ウィンターガーデン、楽しんで頂けてよかったです。

どこのガーデンに出かけても入り口からはいつも別行動なのですが、
いつの間にか現れておかしなポーズをとっていたりするので、
あとでパソコンに取り入れてから初めて、
あらっ、写ってるということもよくあるんで困ったものです。(-_-;)

うちには 'Midwinter Fire'もありますが、
うちでは大きくできないので、かなり剪定してしまうので、せっかくのオレンジと黄色のグラデーションがよく出ません。
wilmslowさんの庭だと2mx2mくらいに育てるときれいな色が出ると思います。
秋は黄葉がきれいですよ~♪
黒いのは葉色もダークな色で、かなり大きくなります。
コーナスは斑入り以外は夏場はちょっとdullな感じになると思います。
広い庭園なら、ウィンターガーデンだけを目的に作ることもできますが、狭い庭ではむずかしいですね。

ウィンターガーデン、できればもう少し書き込みを入れたいと思っています。
Commented by ティンカーベル at 2015-03-10 06:50 x
はじめまして。こんばんは。wilmslowさんのリンクからお邪魔しました。イギリスでガーデナーをしているティンカーベルと申します。

サビルガーデンのウインターガーデンが出ていたので、うれしくなってコメントしています。実は13年ほど前にサビルとバリーガーデンのスチューデントでした。自分が働いていたガーデンが紹介されていて感激しました。ちょうど、新しいショップとレストランの建物が建設される前でした。サビルは、3月の終わりが一番好きです。

園芸はどこで勉強されたんですか?また、お邪魔します。


Commented by lapisland2 at 2015-03-13 04:58
ティンカーベルさん、はじめまして。
昨年から体調を悪くしておりまして、ブログもサボりっ放しになっていますので、
コメント頂いていたのに気がつかなくてごめんなさい。
サビルとバリーガーデンは、うちから40分ほどで行けることもあり、元気な頃はしょっちゅう行っていました。
ウィズリーも同距離くらいなのでよく行きますが、ツーリストが多いのでリラックスできる場所ではないですよね。
元々woodland gardenが好きですので、日本のプランツの多いサビルガーデンは私にとってはホッと一息つける大好きな庭です。
おそらく、ガーデン中のどこにいつどんな花が咲くかなど隅から隅まで知り尽くしていると言ってもいいかもしれません。もちろん新しい建物ができる前からの常連です。あの頃は、ブルーポピーがたくさん植えてあったと記憶しています。
そこで学ばれていたなんて、いいですねぇ♪
13年前、ひょっとしたらお会いしていたかもしれませんね。

今回(と言っても、いつの間にか20年になりますが)この国にはマチュアスチューデントで来て、
大学院でまったく違うことをやっていたのですが、同時にフラワーアレンジングのコース(City&Guildと NAFAS)を取っていて、そのカリキュラムの中に庭園の歴史や植物学が入ってきて、そちらの方が私には面白く、
もともと園芸が好きでしたので、途中から掛け持ちで園芸のコースも取り始めた次第です。
(City&Guildのいくつかのコースやガーデンデザインコース、それとRHSのコースをいくつか取りました)
元々健康上の問題があるので職業にすることはできませんが、ガーデニング暦は長~いです。

何かの検索で、ティンカーベルさんのブログが出てきましたので、
随分前から存じ上げてますよ~。私の大好きなジャックラッセルを飼っていらっしゃることもね♪
どうぞよろしくお願いいたします。

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