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先祖返りの斑入りノルウェーメープル



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春から夏にかけての斑入りのノルウェーメープルの葉は、
それこそ息を呑むような美しさがあります。
爽やかなみどりのまわりを縁取る淡いクリーム色。
その絶妙な色の組み合わせは、庭に出るたびにドキッとするほどです。

ところが、この美しい樹木に大きな欠点があることを知ったのは、
植えてしまったあとからなんですよねぇ。。。


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今、ノルウェイメープルの植わっているすぐ近くには、
何年か前までは前住人が植えた大きな桜の木と、
鳥が運んできたエルダーの木が植わっていました。
エルダーに害虫が大発生して、それが桜の木に遷り、
その頃イギリスでは桜に病気が発生して枯れるものが多かったのですが、
害虫のために弱っていたうちの桜もやられて、幹から黒い血を流すほどになり、
樹木医さんと相談してどちらも伐採してもらうことに。

二本も大きな木が無くなった庭は、なんだか妙に明るくて、
歯の抜けたような感じになりました。
思いがけなくできた日当たりのよい場所に、
2年ほどは日向向きの花を植えて楽しんで、
その間にゆっくり次に植えるシュラブか樹木を考えることにしようと
私自身は吞気に考えていたのですが・・・。
気の短い相方は、「鳥たちには木が必要だから、すぐに代わりの木を植えよう」と
やいのやいのとうるさいこと。
ガーデンセンターを見て回ってもちっとも決めない私に苛立って、
さっさと一目見て気に入ったノルウェーメープルを注文してしまったのです。
しかも小さな木ではなく、すでに3mの高さのある木を。


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木が届いて、大きな穴を掘りたっぷりガーデンコンポストを入れて植え付け、
しっかり支柱も添えて、ツリーバンドで縛り、
ほれぼれと美しいメープルの木を眺めていたのですが・・・
訪ねて来た相方の友人の一言に頭をガ~ンと一打ちされてしまいました。
「気をつけないと、またたくまに緑の葉っぱに乗っ取られてしまうよ~」

彼の庭は1エーカーほどの広さに樹木がたくさんあるのですが、
一目惚れで植えたノルウェーメープルは、
植え付け3年後には、斑入りが消え始め、
今では木の3分の2がただの緑の葉っぱになってしまっているとのこと。

それからあと、彼の庭にある木を偵察に行ったり、
車で通る道筋に見えるこの木を探しては観察を続けていますが、
大きくなっても美しい葉を保ち続けている木は数少ないのです。

植えて今年で4年目になるうちの木は、
昨年から少しずつ斑の消えた葉っぱが出始めています。
この先祖返り(こちらではreversionと言います)を防ぐには、
見つけ次第、枝の根元から剪定をすることなのですが・・・
木が大きくなってからは、それも難しくなってしまいます。
先祖返りをした緑の葉は、斑入りの葉よりも多くのクロロフィルを含んでいるので勢いも強く、
うっかり見逃していると、いつの間にか木全体が乗っ取られることになると言うわけです。
そんなわけで、大きくしないようにと昨年から高さを調節するために
天辺の剪定も始めています。

今のところはそれほどたいしたことはないので、
見つけ次第剪定していますが、これから先どうなることやら。。。

それに、植えてから分かったもう一つの欠点は、
「ノルウェー」と言うくらいですから、確かに寒さには強いのですが、
どうやら風雨にはそれほど強くないらしくて、
風のきつい拙庭では、8月も下旬になると葉が縮れたようになり始めます。
黄葉がきれいとのことなのですが、
黄葉する前に、雨でも降ればバッサバッサと落葉してしまうのです。

もう一つ、植え付け3年後になって発見した大きな問題があるのですが。。。

ここまで書いてきて、やれやれ、なんだかため息が出そうで、
今回はそれについて書くのは止めておきます。
そんなわけで、それはまた次の機会に。
手の掛からない庭に作り変えていくはずが。。。なんともいやはや。

大枚200ポンド(購入時のレートだと4万円以上)も出して、
こんなことになるのですから、
一目惚れで斑入りノルウェーメープルを植えるのは、おやめなさ~い!


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学名: Acer platanoides ‘Drummondii’
英名: Variegated Norway maple 、 Harlequin Maple

by lapisland2 | 2013-10-18 21:41 | Tree