イギリスのウズアジサイは「おたふく」ならぬ「おかめ」さん
日本で見るウズアジサイは、そのほとんどがきれいな水色ですが、
悲しいかな、石灰岩の多いイギリスの地では一部の地域を除いて
ピンク色になります。
これはウズアジサイに限ったことではなく、すべてのアジサイに言えることで、
土の含む石灰の濃度によって、淡いピンクからショッキングな濃いピンクまで、
アジサイと言えば、白を除くとすべてピンクのオンパレードです。
ガーデンセンターやナーサリーで目の覚めるようなきれいなブルーのアジサイを購入しても、
それは酸性土に植えてあるか薬剤処理をしてブルーになっているだけなので、
ひと夏を越すとピンクに変わってしまいます。
なんとかブルーのアジサイを咲かせようと、
こちらに来てから苦節十数年、おそらく数十株のアジサイを買い込み、
あれやらこれやらやってみましたが、今は諦めの境地です。
庭にはできる限りピンクの花を植えたくないと思っているのに、
夏になると大きな「どピンク」のアジサイがボコボコ出現してしまいます。
このウズアジサイに関しては、
普通のモップヘッドのように目立ちすぎる花ではないので、
ピンクでも許容範囲に入るかなと思うようになりました。
と言うよりは、見慣れてしまったのかもしれませんね。
ウズアジサイは江戸時代に作出されたと言われる園芸品種のアジサイで、
別名「オタフクアジサイ」とも呼ばれています。
丸みのある装飾花が、渦を巻くように咲くことがウズアジサイの名前の由来のようですが、
萼片がスプーンやお皿の縁のように巻き上がっているのが特徴ですね。
(面白いのは日本では皿状と表現し、英語では カップとかスプーンと言う表現をします。)
日本では 通常はブルーの花が咲きますが、
中性土で育てたピンク色の花は 「おかめ」とか「梅花咲き」と呼ばれて、
昔から愛好されてきたとのことです。
それでは、決してブルーにはならないうちのウズアジサイは、
差し詰め「おかめさん」というわけですね。
ところが、なぜか今年は異変が起こりました!
なぜか淡い水色の花が咲いたのです。
春から初夏にかけての異常な雨量が、
土のアルカリ性を薄めてしまったせいではないかしらと思います。
残念ながら、夢にまで見た水色のウズアジサイはつかの間のこと。
9月になってからの花は淡いピンク色に戻ってしまいました。
さて、来年はどんな色になることやら・・・。
再び水色の花が咲く可能性も無きにしも非ず。
ちょっと楽しみになってきました。
学名:Hydrangea macrophylla 'Ayesha'
英名: Hydrangea 'Ayesha'
和名:ウズアジサイ(渦紫陽花) 別名:オタフクアジサイ(お多福紫陽花)
[追記]
*ウズアジサイの花期は、日本では5~6月ですが、
こちらでは8~9月になります。
*アジサイの葉は皮膚炎を起こすことがあるので注意。
by lapisland2 | 2013-09-17 04:11 | Shrub